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防ごう!知っておきたい性病の知識

HIVに感染したら一生が終わってしまう、エイズを発症したらいっかんの終わり。耳にタコができるほど聞かされてきたストーリーは、ここ数十年で大きく変化してきました。

風俗でエイズを発症してしまう、なかなか想像できませんが、決してその可能性はゼロではありません。正直目を逸らしてしまいたくなるテーマですが、今回はエイズのリアルを解説していきたいと思います。

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エイズとHIVを間違えていない?

勘違いしている方も多いのですが、エイズとHIVは同一ではありません。HIVに感染するとCD4細胞と呼ばれる免疫を司る細胞がどんどん減少していきます。適した治療を施されることなくCD4細胞が極限にまで減ってしまうと、健康な人であれば罹患することのない病気にかかってしまいます。(これを日和見感染症と呼びます)

それだけでなく悪性腫瘍や神経障害に陥ることもありますが、基本的に日和見感染症として指定されている23の病気に罹患してはじめて、エイズを発症した事になります。

HIVウイルスに感染するイコール、徐々にエイズ期に移行していくと考えて差支えありませんが、いつ日和見感染症を発症するかは予期できません。

ある人はHIV感染に気づくことなく、感染から15年後に調子を崩して日和見感染症に感染していることが判明しています。一方で、HIV感染から5年もたたずにCD4細胞が大きく減少しエイズを発症する方もいます。

まず大切なのはHIVとエイズは異なる意味合いを持つこと、そしてエイズ発症の時期は人それぞれ異なるということを覚えておきましょう。

エイズを発症するとどうなるか

HIVウイルスが体内で増殖し続けるとCD4細胞の数が低下しますが、ある程度まで免疫が下がってしまうと、エイズ発症を疑うような症状を見せるようになります。たとえば口腔カンジダができたり、なかなか風邪の症状が治らない下痢や原因不明の体重減少などです。

毎日の投薬をすれば日和見感染症に罹患することはありませんが、放置してしまうと、前項でお話したように以下のような日和見感染症を発症してしまいます。

・クリプトコッカス症
・ニューモシスチス肺炎(カリニ肺炎)
・セラチア感染症
・カポジ肉腫
・サイトメガロウイルス感染症
・トキソプラズマ症
・クリプトスポリジウム症
・帯状疱疹

横文字ばかりが続く病気ばかりですね……。なお、どの疾患を発症するかはCD4の数にもよります。

エイズを発症すると死を待つだけといわれたこともありましたが、現在はたとえエイズになったとしても生命予後は良くなっています。もちろん持病やいつ頃HIVウイルスの増殖を抑えるための治療を開始したのかにもよりますが。

なおエイズを発症すると、メンタル面で大きなダメージを受ける方は少なくありません。入院、治療にかかる費用、誰かを感染させたかもしれないという良心の呵責や会社への説明、今後予想される偏見や差別など。

HIV、エイズを取り巻く状況は好転していますが、当事者が抱える負の十字架は決して軽いものではないことは確かです。

エイズを発症させないために

エイズ発症直前や発症してしまったら、日常生活にさまざまな制限が生まれることもあります。

たとえば食べ物に含まれる細菌によって体調を崩すこともありますし、ある種の食べ物、飲み物は投薬の効果を阻害する場合もあります。またインフルエンザや新型コロナウイルスなどにも感染しやすく、免疫の状態によっては思わぬ健康悪化を引き起こすことも考えられます。

エイズは発症するタイミングが読めませんが、エイズ発症を防ぐには日和見感染予防、抗HIV薬をなるべく早期から服薬する必要があります。

HIV、エイズは感染率も低く、いまだに「ゲイの病気」とカテゴライズされてしまう傾向も高いので、まずは正しく病気を理解すること、そして自身の体調管理を徹底し自己防衛に努めることが大切です。

他人事とは思わずに、定期的なHIV検査、そして陽性が判明した場合は医師の判断を仰ぎ早期に治療を開始してくださいね。

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